チリの風 その1122 2024年11月11日ー17日
週の始めは最高気温30度ほどの日が続いたサンティアゴでしたが、週末はかなり変わりました。街路樹ジャカランダの紫の花が満開です。
いつものようにチリ大学病院に血液検査に行き、その後、旧市街を散歩しました。中央市場の横を歩きましたが、大勢の人が必死に働いています。
そしてホームレスの人もそこで生活しています。いろんな人生があるのを感じます。
今週も登山2回、マラソン2回が出来ました。
土曜日の登山教室は初級広場が目的地で11名の参加者で4時間コースを歩きました。最年少は7歳・最高齢者は77歳でした。全員が楽しく歩きました。幸運なことにその日は曇り空で、気温はそれほど上がらず、あまり汗はかきませんでした。戻ってきて湯船につかってのんびり。その他に丘歩きを一回。
マラソンの1回は10キロ走りで、先週より1分早かったのでニッコリ。
なるほどトークのための練習も進み、45分の講義を原稿を見ないで話せるようになりました。友だちの前で1回予行演習をしました。ときどき間違いますが・・・
妻が頑張り、週日に近所の家でお菓子の講習会を実施しました。作品(商品?)の一つをプレゼントしてもらいました。おいしかったです。
こうして忙しい・楽しい毎日を送っています。幸せです。
(政治)
1)ボリッチ動向
ベトナム大統領がモネダ宮殿を訪問し、ボリッチと面談をしました。
その後、ボリッチはペルーに飛び、APEC会議に参加。そこで中国の習近平と面談しました。もっと銅を買ってほしい、投資をしてほしいと頼んだのでしょうか?
そのペルーで中国は最大級のチャンカイ港を建設する予定と言われますからね。ペルーだけでなくチリにも頼むとして。
日本から石破首相も出席していますが、ボリッチは彼との面談に興味なかったのでしょうか?チリのマスコミには石破の名前は出ません。
今日、ブラジルに飛びました。明日からG20会議に出席します。
大臣変更依頼を拒否
内務大臣トアを更迭するよう野党は要請していますが、ボリッチは拒否を続けています。
前内務次官モンサルべが逮捕され警察に収容されました。
このニュースは厭きるほど続きます。しかし内務省のナンバー2だった男が、部下を強姦するなんて。職を失い・家族が崩壊すると思わないのかな?
部下だから訴えないと考えたのでしょうか?
エルモシジャ事件
毎週、同じ話題が書かれます。政府・検察・裁判所・警察に大きなダメージを与えているこの事件ですが、どう修復するかがこれからの大きな問題になります。
誰も裁判所・検察庁を信じないとなれば国が破壊されますからね。
(経済)
1)銅価格と為替
 何と今週は一日、銅価格が4ドルを割りましたが、金曜日は1ポンド4.11ドルで終えました。良かった。トランプ関連と言われますが、本当かな?
 中国の動きが見えなくなったからかな?為替は1ドル975ペソでした。
2)資金の流出
2019年に社会騒乱が起きた時、過去20年で例を見ない97億ドルが流失しましたが、次の年から収まり2023年はわずか7億ドルでした。
それが今年になって流れが逆になり9月までに41億ドルが出ていきました。
新聞の社説に経済の再稼働はペンディングになっている最大の課題だとされています。しかしそれをボリッチ政権は実行しているように見えないとするわけです。
それに最近の経済停滞から来年の状況が高め安定ではなく、停滞もしくは減少も予想されるほど落ち込み始めました。投資を呼び込むためにインフレを下げる、犯罪を抑え社会不安をなくするなどやることは決まっているのでしょうが、政府は手を打っていないようです。中国にすり寄る姿勢は継続ですが、それは正しいかな?
ところで来年度予算が下院で可決され、上院に回りました。一歩前進ですね。
(一般)
1)山火事
バルパライソ地区の山火事は11か所で130ヘクタールが燃えました。放火の疑いで2名が逮捕されたとか。
2)空港スト
サンティアゴの空港で従業員のストがあり、15000人に影響が出たとか。そのストは違法だったようで、それを管理できない空港運営会社に厳しい批判の声が
出ています。先月イースター島に行っているときにこの事件が起きていれば、島から戻れませんでしたね。
3)犯罪
毎週同じような犯罪関連ニュースが出ます。今週は、車を盗まれようとしたドライバーが犯人に逆らうと銃を発射され、死亡しました。その場所は
日本大使館の近くでした。
(スポーツ)
1)サッカー
南米予選が行われ10チーム中最下位のチリは9位のペルーと敵地で対戦し0対0の引き分けでした。もちろん最下位維持です。
火曜日にベネスエラ戦がサンティアゴでありますが、勝てないでしょうね。
以上

 

●講演会等のお知らせ
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★【オンライン講演会】:
<申込みサイト: https://latin-america.jp/seminar-entry>
 
(1) 「ラテンアメリカなるほどトーク」2024年度第4回「チリの歴史 その1」2024年12月3日(火)21:00〜22:00(日本時間)、同日09:00〜10:00(チリ時間)ピーター藤尾(連載「チリの風」執筆者)
https://latin-america.jp/archives/63879
<申込み締切:11月28日(木)>
 

チリの風 その1121 2024年11月4日ー10日
この月曜日、サンティアゴの気温は最高25度、最低5度でした。何それ、一日に夏と冬が来るの?
それが少しづつ上がって土曜日は29度に。サッカー教室の時は暑かったです。
今年4回目、最後の家屋税を支払いました。ちゃんと3割ほどの老人割り引きが付いていました。
さて私の若かったころ、50年も前の事ですが、70歳と言うとヨレヨレの老人でした。私は77歳ですが、
まだ飛んだり跳ねたりしています。スポーツを継続したからですね。いつまで続くか分かりませんが、頑張ります。
今週も登山2・マラソン2でした。登山は第4展望台に上がりました。同じプロビンシア山系に毎週入っていますが、違うところに登るのが楽しいです。
でも上から街を見ると茶色のスモッグに覆われているのが悲しいです。マラソンはもちろん10キロを一回走りました。
土曜日にサッカー教室がありました。約20名の参加者で楽しく練習しました。
なるほどトークと言う番組に12月に出演しますが、その練習を毎日しています。
こうして毎日忙しく楽しみ、幸せでした。
このチリの風のブログに先週のラパヌイの旅の報告書を掲載しました。見てください。
(政治)
1)ボリッチ動向
 全世界でアメリカ大統領選挙の話がされています。南米のトランプと言われるアルゼンチンの大統領は即時に祝意を表明しました。ボリッチは
 テレビの画面で延々とスポーツチームの話をしました。彼は以前、トランプ批判をしていますからね。外務大臣はこの件に関しアメリカは中国と並んでチリに
 とって最も重要な国だとコメント。
 来週月曜日にベトナムの大統領がモネダ宮殿を訪問するとか。
 ボリッチは野党がうるさく言うが、私は内閣の改造はしないとコメント。ただその下の補佐官は4名替えました。新聞の社説に社会安全のための政策・組織が
 ちゃんと機能していない・改善されていないと批判されています。問題があるのに放置しているのでしょうね。
 それから健康問題(病院や保険機構)が困難な状況になってきていると言われます。
 バジェホ大統領府長官は、大臣が次の国会選挙に参加したいとなれば、辞任を認めることになるとしています。
2)エルモシジャ事件
 検察長官に疑惑が出てきました。彼が起訴されたら検察庁はどう対応するのかな?
 検察・警察・政府とすべての分野でエルモシジャが大活躍(?)していたことが明らかになってきています。もっとショックなニュースが出るでしょう。
 なんでもチリ人の4人に3人がチリは汚職の国だと考えるとか。以前は南米の他の国は汚職がひどいがチリだけは別だと言われたのですが。会社員の頃ベネスエラ
 にエンジェルフォールを見に行きましたが、土地の人と話をしていると、「この国は汚職がひどい。袖の下を使わないと商売が出来ない」と聞きました。
 チリも落ち込み始めたのでしょうか?
3)大統領選挙
 まだ1年以上先の話ですが、次の大統領選挙の候補者の中で、世論調査によると人気のあるのは次の3人です。
 首位はマテイ(29%)。2位はバチェレットとカストが11%で同率でした。左翼側で期待されているのは内務大臣のトアですが。
 マテイは現在プロビデンシア区長ですから、12月に任期が終われば大統領候補として行動を開始できます。右翼側は中道右翼の彼女と、極右のカストの間で第1 
 次予選をして次の選挙には右翼から統一候補者を出すよう考えています。そうなれば勝てると言う見通しです。
(経済)
1)銅価格と為替
トランプの当選で銅価格は水曜日大きく下がりました???。もちろん、最後は元に戻りました。銅価格は1ポンド4.23ドル、為替は1ドル951ペソでした。
2)経済成長
9月は前年対比同率で全く上昇はありませんでした。これでは今年のチリ経済が停滞するのは間違いないですね。
さて家屋購入時の貸出金利がこの1年間以上で最低のレベルになっています。とにかく売れないので何とかしようと言うことでしょうね。
株式市場IPSAは6510ポイントで今年になって15%の上昇です。
3)物価上昇率IPC
10月の上昇率は1%と今年最高の数字で過去12か月で4.7%になりました。これは予想を大きく超えたものだったので、今年の予想数字の変更と公定歩合の数字もどうするか考える必要が出ているとか。
電気代の値上げがその一因と言われますが・・・
この日曜日から首都圏の公共運送の価格が10ペソ上がりました。今年になってから40ペソの値上げ。それに抗議する動きはまだ出ていません。
それからガソリン価格が下がりました。価格の変動は上がったり下がったりするわけですが、チリでは最近の4回は全部下がっています。その4回で下がった価格の
合計は100ペソ強です。
4)新車の販売
今年の9月までの数字ですが、22万2千台が販売され、その中で日本車は25%のシェアーを占めました。
(一般)
1)犯罪
麻薬犯罪組織に対し大規模な手入れが行われました。
9月の殺人事件は105回、1月からの合計では1418人が殺されています。政府は何をしているのと言われるわけです。
それからまたアラウカ州で木材の盗難事件が起きました。いつもの組織が森林会社のトラックや車両に放火し、置かれている木材を奪っていくわけです。
同じことが繰り返されるのに反応できないのでしょうか?
2)テレトン
今週の最大の話題はこれですね。障害児童の援護をする組織に基金するチャリティー番組が行われ、チリの国中で盛り上がりました。ボリッチはその準備活動に
南部の州を訪問して応援しました。本番の時にも参加しています。招待されて参加したスペイン人の音楽家が、テレトンの様な行事はチリ以外にはない素晴らしいものだとコメントしました。1978年に始まり、今年で46年目です。毎年巨額の基金を集めていますが、今年は目標だった380億ペソをはるかに超えた405億ペソが集まりました。
3)山火事
とうとうバルパライソ州で山火事が起きました。大火事ではなかったですが、この先が心配されます。
(スポーツ)
1)サッカー
国内リーグ戦が終わりました。優勝はコロコロ。2位はチリ大学でした。試合が終わると優勝を祝って多くのコロコロファンがクラクションを鳴らしながら車で
道路を走っていました。3位はイキケでした。
カトリカは負けて3位から5位に落ち来年度のリベルタドール杯に参加できません。
それからワールドカップの南米最終予選が始まりますが、もうチリのファンは誰も興味を持たないでしょうね。
以上

ラパヌイ 2024年10月 藤尾明憲
私は過去に何回もこの島を訪問しているが、それでも島の魅力を毎回、感じることができる。今回の旅の感想をいろいろ
書いてみたい。
1)自然
この島には花が多い。島にいろんな種類の花が溢れている。乗客が島に着くと先ず花飾りを首にかけてもらうが、それだけではない、ホテルのベッドに、トイレに花は置かれている。
警察署に行く道で道路の街路樹がセイボ(アメリカ・デイコ)だったが、その何本も並んだ大きな木に赤い花が溢れていた。素晴らしい風景だった。サンティアゴにもその木はあり、そろそろ花が咲き始めている。
それから私の好きな野菜のアボガドがどこにでも植わっていて、実を抱えている。道に落ちてきたら拾っていきたいが。
ここは亜熱帯地区だから年中暖かい気候で雨が多い。私たちは5日間滞在したが、そのうち4日雨が降った。もちろん一日中降るのではなく、降ったりやんだりだが。
そのため樹木が成長し、島中が緑に覆われている。
2)生活
住民
そこに住んでいる人に何年この島にいますかと聞いてみた。ホテル・レストラン・タクシーの運転手などだ。この島で生まれたと言う人から、30年、15年、数年
そして1か月と言う人もいた。ホテル近くのレストランでオーナーと話をしたら、彼は15年ここにいるとか。昨年、私の店に日本大使がお見えになりましたとコメントされた。
前回の国勢調査ではこの島の住民は8千人とされたが、今年のそれでは1万人になると予想されている。来年3月にその結果は発表される。しかしこの島の最大人口数は1万5千人とされるから、現在誰も住んでいない地区にも昔は集落があったわけだ。モアイはその前を歩く人を見守ったと言われるから、モアイを祭るアフが島のあちこちにあるのがその証拠になるわけだ。ラパヌイ人の子孫は10%くらいだろうか?
その住民の中に日本人も10人ほどいるとか。その一人と話す機会があった。その人の名前・職業はプライバシーのため書かないが、彼女は日本人の夫とここに30年も住んでいるとか。ご主人が若い時からこの島に住みたいと言う夢を持ち、それを実現させたのだ。二人とも仕事を持ち楽しい毎日を送っているのは素晴らしい。つまり運があれば世界のどこででも幸せな人生を送ることができるわけだ。
コロナ問題で観光客が来なくなったとき、島民は家庭菜園を作り自給自足を図ったと聞いたが、中にはオーナーが客が無いので仕事はないが、店のメンテナンスをするように指示し従業員に給料を半分払った例もあるらしい。それで住むところがあれば、食事代は何とかなったらしい。素晴らしいオーナーだ。
選挙
その週末にチリの地方選挙があり、州知事・町長・補佐官などの投票がされた。島の場合、投票所になった学校に多くの投票者が集まった。
それを見に行くと、その場所に屋台が並んでいた。投票を終えた人は家に戻る前に何か食べる習慣があるのかな?サンティアゴではそんなことはないが。
今回の選挙はすべてのチリの住民にとって義務になっており、サンティアゴにいない私たちは島の警察署に行って不在証明書をもらう必要があった。
その警察署は町の中心から遠く離れたところにあったので、約1時間の散歩になった。事前に申請をしていた人と全く用意してこなかった人に
別れた列があった。投票所などを明記した文書を携帯で見せると私たちはわずか1分で手続きが終わった。
ここからは個人的なことになるが、昨年、富山グループがラパヌイ公演をしたとき、それを承認したのが島の文化部長だったが、その人が今回の選挙で補佐官に
立候補し、当選した。彼は政治家を目指して行くのだろう。次は国会議員かな?
候補者の名前を見ているとラパヌイ人の名字が目立った。
政治
町を歩いていると看板が立てられていて、それには私たちは島の領土をチリ政府に献上したことはないと書かれていた。つまりチリ政府が一方的に
この島はチリ領土だとし、彼らの好きなように支配しているとするわけだ。それを取り外さず放置しているのはチリ政府も彼らの自由を認めているのだろう。
これがマプチェ問題のように、ラパヌイ先住民が島の政府高官を襲ったりし始めれば状況は瞬時に変わるだろうが。
ところで、この島には犯罪はほとんどないと言われる。確かに住民はしっかり生きていると言う雰囲気がある。サンティアゴの怪しい雰囲気はない。
時間があったので町の中をあちこち歩いた。何回も行ったレストランの横を丘の方に歩いたが、一番奥の所まで並んでいる家の作りは立派なものだった。
生活レベルはかなり高いことが分かる。
3)観光
この島の主要産業は観光だ。私たちが乗った大型航空機は往復とも満席だった。つまり観光客は島の限界まで増加しているようだ。
私たちの行動を書いてみる。
アフ それはモアイを置く祭壇の事だ。島内の各所にアフがあるが、今回もいくつか訪問した。
アフ・タハイは昨年、富山から可西グループが来てモアイの前でダンスをした記念の場所だが、もちろんそこを訪問した。海に面した素晴らしい空間にモアイが
海を背にして立ち、前を通る人を見守っている。
さてツァーは毎日あり、半日のものと一日のものに分かれる。有名な観光地区に個人で行くと中には入れない。ガイドが必要だからだ。
それから公園入所料を事前に払う必要ががある。町内にその事務所がある。
ボートツァーも最近始まったが、同じルートを大勢の観光客を乗せて回るのではなく小さな船で希望の場所に向かう方式の様だ。一度乗って見たかったが、
どこが乗り場か分からず今回は失敗だった。
海辺で、泳ぐ人、サーフィンをする人を見た。
タクシー
町の中をタクシーと書かれた紙を置いて走っている車がある。それが乗り合いタクシーだ。反対方向に向かうタクシーに合図をすると運手手は戻ってくるのを
待つように指示する。警察署に行ったとき、ホテルへの戻りにそれを利用した。運転手から彼の名刺をもらうと電話番号が書かれているから、私たちは同じ車を3回も利用した。
ホテル
多分、30か所ほどあると思われる。旅行代理店経由ではなく、ネットで調べてホテルと直接に契約するのが良さそうだ。その方がホテル代が安くなるのと空港往復の車のサービスが付くからだ。私たちはその方法を使った。ホテル代は事前には払わず、ホテルに着いてから払った。
今年の8月に、チリ南部に旅をしたが、その時のホテル代と比較するとここでは約300ドルで2倍強だった。
レストラン
海岸通りと町の中心地区に多くのレストランがある。
刺身(サシミ)はもうスペイン語になっているのか、メニューにSASHIMIと書かれている。私はそのマグロの刺身を楽しんだ。
肉は牛肉、鶏肉に羊もあった。全部楽しんだ。
値段はサンティアゴの約2倍だった。二人で5万ペソが普通だった。
ショー
ラパヌイ音楽とダンスのショーがあるが、今回は参加しなかった。
入島手続き
サンティアゴから同島に飛ぶのはラタム航空1社だけだが、そこで搭乗手続きを終えれば、PDI(私服警察)の事務所に行く。そこで航空券・身分証明書(旅券)、入島許可書(往復の航空券とホテルの予約書をもとに申請する)とホテルの予約書を見せて出国許可を受け取る。ラパヌイはチリ国内だが、特別手続きが必要なわけだ。
こうして島の旅を楽しんだ。一日15000歩ほど歩いていた。と書くとそれって観光じゃないでしょうと言われるかもしれないが、自分の好きな場所で、草花を
見ながら歩くのは観光と言えるのではないか?幸せな毎日だった。またいつの日か島に戻るだろう。

 

チリの風 その1120 2024年10月28日ー11月3日
もう11月ですね。年末が近い。月曜日の深夜に旅から戻って来ました。
先週は最高気温が35度にもなって真夏の感じのサンティアゴでしたが、今週は金曜日など最高22度と初夏の雰囲気でした。
今週は木曜日がキリスト教プロテスタントの日、金曜が死者の日(お墓参り)と祝日で、それに土・日を加え4連休になりました。
もちろん、私は通常の毎日で山2・マラソン2でした。
山はビスカチャ山(5時間コース)と近くの丘歩き。登山した後、家に戻って湯船につかり疲れをいやしました。マラソンは10キロと5キロを走りました。
もちろんラパヌイ旅日記も書き上げました。このブログに掲載します。
バケーションの旅に出て遠い所の生活を楽しむのと、いつものサンティアゴでの毎日を楽しめるのが嬉しいです。
つまり今週も幸せでした。
(政治)
1)ボリッチ動向
大統領府の発表ではプロテスタントの日に、そのトップ(大司教と言うのでしょうか?)と面談し挨拶した由。
もちろん一番大事な動きはバルパライソ州にある大統領の別荘カスティジョの丘で、政府関係者を多く集め面談しています。主要なテーマは
先の地方選挙と、モンサルへ事件の対応でしょう。
トア内務大臣がその事件の対応を間違っていたとして批判が出ていますが、これらを関連させて内閣改善をする可能性もあるとか???トア内務大臣は
次回の大統領選挙の左翼側の候補者ですから、この事件で汚名を着せるわけにはいかないわけです。
2)地方選挙
左翼の新左翼・共産党は勢いを落としたと言われますが、バルパライソ州では主要なバルパライソ市とビーニャ市で新左翼候補が市長になっています。共産党員の市長も出ています。極右の共和党は補佐官などの選挙では多くの候補者が当選しているが州知事・市長などでは不調でした。
市長選挙で野党グループは前回より35増やし、政府系は39か所を落としました。
それより大事な州知事選挙は幾つかの地区で決選投票が行われますが、それが終われば今回の地方選挙の勝ち組・負け組がはっきりします。
そして、もちろん2年後の大統領選挙の話が大きく話題になるわけです。
選挙が終わってからボリッチはカメラに向かって、「私はこの選挙を誇りに思う。不正は全くなかった。投票は義務制なのでチリ人全体の声を聴くことが出来た。
結果についても満足している」それから当選した知事・市長に向けて「一緒に仕事をしましょう。国民がよりよい生活ができるように努力するのが私たちの仕事です。所属する政党の色など問題ではありません」とコメント。彼は国民が右翼を選んだり左翼を選んだりするのは当然・自由だからそれを尊重したいとするわけです。
(経済)
1)銅価格と為替
祝日の数字は出ていませんが、1ポンド4.24ドル、為替は1ドル951ペソです。
コデルコ銅公社の第3四半期の生産は前年対比少し減少していますが、価格の上昇から利益もアップとか。
2)公共投資
第3四半期の5.5%上昇で、目標3.5%を大きく超えている。必要ですからと答えがあるでしょうが、赤字が増えていくわけです。
(一般)
1)犯罪
毎週同じですが、今週も殺人事件が発生。首都圏ですが、100数十発の弾丸が発砲され、それに当たった男性が死亡。ハロウィンで近所の家にお菓子を
貰いに行った少女が弾丸に当たって重傷。車を盗もうと襲い掛かった4人組に、その近くを犬を連れて歩いていた非番の警官が発砲し2人を逮捕。二人とも未成年でした。犯罪組織の争いとか個人犯の乱暴です。こんなニュースは毎日です。
チリ南部の小売店に犯罪人が入り、商品を盗もうとしました。オーナーがドアを閉めて犯人が逃げられないようにすると犯人はオーナーを突き飛ばしました。オーナーは87歳でした。それがすべて防犯カメラに映っています。なんとその犯人は過去に25回、同じ犯罪で逮捕されています。警察より裁判所の問題ですね。
2)交通事故
この週末は4連休になりましたが、最初の3日間で297の事故が起き、11名の死亡が確認されています。もちろん、今日の日曜日もその数は増えるでしょう。
3)気温
 先の10月は観測史上の最高気温を記録しましたが、11月もその傾向が続くとか。暑そう???
4)移民
もう長い間、チリは移民問題を抱えています。最近の移民数で数が多いのはベネスエラですが、2年連続、2022,2023年とチリに入って来た移民より、本国に戻った数の方が上でした。2023年の場合。入ってきたのは176千人。出ていったのは192千人でした。今年もその傾向が続いたのですが、少し前の大統領選挙の後,風が代わり、9月から移入者の数が帰国者数を超えています。ベネスエラに帰って希望を待つと言うことが無くなったのでしょうか。もっともそれは正規の動きで
不法に出入りしている移民の数は不明です。
(スポーツ)
1)サッカー
国内リーグ戦はあと1試合になりましたが、順位はトップからコロコロ・チリ大学そしてカトリカです。
ワールドカップの南米予選が2週間後に行われます。チリはペルー、ベネスエラと対戦しますが、現在南米最下位のチリはどこにも勝てないでしょうね。
以上

 

チリの風 その1114 2024年9月16日ー22日
ディエシオチョ(18)のお祭りがチリ全土を覆っています。私はクエッカは踊らないし、地震(テレモト)と呼ばれるアルコールも嫌いだし
チョリパン(ソーセージ入りのサンドイッチ)も食べたくないので、人が集まるフォンダには行きませんでした。
もちろんスポーツは何時もの通りです。登山は第3展望台に登り、丘歩きはいつもの近くの場所でなく街の中心にあるサンタ・ルシアの丘に行きました。久しぶりでしたが、都内なのに森の中を歩くと言う雰囲気がありました。マラソン練習は2回、そのうち1回は10キロを走りました。先週より1分でも早く走ろうとしましたが、残念ながらタイムは先週と同じでした。
それからスペインに修士課程留学していた娘が2年ぶりにチリに戻ってきて、挨拶に来ました。若いうちは元気がありますね。
妻のおじさんの所に行って寝込んでいる彼の手足にマッサージをしました。毎回していますが、血液の流通を助けるためです。
さてもう春だと言う雰囲気でしたが、今日は気温が下がり、最高が13度と冬の感じ。朝のマラソン練習に手袋を使いました。さらに夜に
雨が降りました。また冬が戻って来たのかな?
それでも今週も楽しい毎日でした。
(政治)
1)ボリッチ動向
 今週は18関連ばかりですね。
 月曜日、オヒギンス公園でお祭り会場のオープン式でサンティアゴ区長の女性とクエッカを踊りました。大統領になった最初の年は踊りを知らず、
 この人はチリ人ではないと思わされましたが、昨年は少し練習したのか、上手くなり、3年目の今年は普通のチリ人のレベルになりました。その会場に
 彼は新しい彼女と来ましたが、ファーストレディの仕事には全く関係しないとか。
 18日はカトリックの大聖堂でテ・デムと言われるミサに政府関係者のトップとして参加しました。その日、私は市内観光をしていて大聖堂のあるアルマス広場に
 近づくと、警官にここから先は通行禁止と言われました。
 大司教はそのミサで「チリの社会習慣には汚職も犯罪もない。これからもそれらを日常化させてはならない」説教しました。これは
 ボリッチにお願いをしているのでしょうか、それとも彼は何もしないと批判をしているのでしょうか?その大司教がテレビの番組に出てその説教について説明し
 ましたが、汚職のある社会は民主主義ではないとしました。現在チリの最大の話題になっているエルモシジャ事件の事でしょうね。犯罪の増加に対する問題も厳
 しいコメントがありました。そして教会はそれらの問題に関し対話する用意があるとしました。
 19日は軍隊記念日です。ボリッチは軍隊のパレ―ドを4軍の長官と共に見守りました。ほとんど全テレビ局が同じ場面を放映しましたが、私は見ていてあまり面白いとは思えませんでした。
世論調査でボリッチを大統領として評価するは33%で、評価しないより大きく下になっています。もう最後の日まで同じでしょうね。
今日、彼はニューヨークに飛び、国連総会に3回目の参加するとか。毎年ですが、彼の得意の仕事ですね。
それから来月の18日は社会騒乱の5回目の記念日です。それまでチリはラテンアメリカ諸国の中で最も民主主義の国で犯罪はほとんどないとされていましたが、
その騒乱の後、チリはそこらの国と同じ適当な国になってしまいました。その記念日に右翼と左翼は独自の動きをするのでしょうが、モネダ宮殿はコメントを
しないとか。思い出すのも嫌なのでしょうね、いろんなことを。
この件に関してですが、世界30か国で世論調査が行われ、国民が自分はその国に住んで幸せと感じるかどうか調べられました。1位はオランダで85%でした。チリは22位で68%。そして日本は27位とほぼ最悪で59%が幸せとか。チリはその社会騒乱の前なら世界のトップクラスに入っていたのでしょうが、それ以降犯罪が増加し、幸福感が減少です。
2)地方選挙
地方選挙まであと1か月ですが、全く盛り上がりません。先日、私の住むラス・コンデス区の区長候補5名が出て討論する番組がテレビでありました。残念、私には全員が魅力のない候補でした???
エルモシジャ事件は継続ですが、18のため大きなニュースにはなっていません。
(経済)
1)銅価格と為替 
 銅価格は1ポンド4.33ドルと二か月ぶりの好調な数字で、このため為替も1ドル923ペソとペソ高です。
 株式市場IPSAは6324ポイントで大きな変動はありません。
2)家屋の販売
 最近、家屋・マンションの販売が落ち込んでいますが、その例として35歳以下の青年の家屋購買は2009年のそれと比較して現在は半分以下とされました。
 価格に対する収入が下がっていて、銀行などからの借り入れが出来ないと言うことでしょうね。
 全然、関係ありませんが、チリで販売されるスポーツシューズの生産国は1位中国、2位ベトナムで、この2か国で90%とか。
(一般)
1)18
普通は18と19日が祝日ですが、今年は20日も休みになったので、その後の土曜・日曜も入れると5連休になり
今年のお祭りは例年にない賑わいを見せました。
全国各地のフォンダと呼ばれる18を祝う会場に人が溢れています。入場料を払って中に入ると、バンドが演奏していて、人々は音楽に会わせてクエッカを踊り
アルコールを飲んで酔っ払い、アサードと言われる肉料理を食べます。夜中まで騒ぐと次の日はぐったりでしょうね。
ところで首都圏のラ・デエサ地区のフォンダで入場料を払わないで中に入ろうとしたグループがいたので、区役所の警備隊と警察が、催涙ガスや放水車などを使いました。しかしひどいですね。正規に払って中に入った人もその攻撃で自由に歩けなくなりますから。チリの悲しい実情ですね。
 首都圏から郊外に出た100万台の車が、戻ってくる前に各地で事故を起こし54名が死亡とか。
さらに18関連ですが、土曜日までに25件の殺人事件が起きました。通常の1週間よりずっと高い数字です。
2)天文台
チリの北部に多くの天文台がありますが、その数は世界の天文台の40%とか。世界のトップですね。
以上

 

チリの風 その1119

 

チリの風 その1119 2024年10月21日ー27日
今週の後半はラパヌイへの旅でした。5日の旅を終え、無事に戻って来ましたが、それはまたいつか文章にしてみたいと思います。
前半はいつもの様な毎日でした。火曜日の夜から水曜日の朝にかけてかなり雨が降りましたが、マラソンは1回、10キロを走りました。残念、新記録は出ません。丘歩きも一回しました。
それから知人の訪問を受け、話し合いました。彼は日本の大学の講師です。私は趣味で歴史を調べて発表しますが、彼はそれが仕事です。プロのレベルは高い。
以前、彼がここのカトリカ大学でスペイン語で講演したのを聞きました。素晴らしかったです。
それから彼の奥さんが私と同じ長田高校の出身で、その母の姉が私と同じ頃に東垂水小学校で勉強したとか。世の中は狭いですね。
つまり今週もいろんな事があって幸せな毎日でした。
(政治)
1)ボリッチ動向
土曜・日曜日と地方選挙があったので、彼は故郷のプンタ・アレナスに行って投票しました。その住所を現在の所に変えれば、そこで投票できますが、
彼はその手続きをしないで実家に帰ります。会社員なら上司から怒鳴りつけられますが、彼は政府内のトップですから好きなようにできますね。
でも大統領職が終わったら、投票所を変えるかもしれませんね???
その選挙の結果ですが、州知事の場合、今回の投票で結論が出ず、決選投票をするのですべての結果は出ていませんが、全般的には与党の勢いより野党の勢力が上回っているようです。区長の場合56%が再選でした。また女性の勝者は18%だったとか。移民の投票者数は79万人で昨年より16%アップとか。移民が増えているのははっきりしていますね。
一番話題になったのは首都圏のサンティアゴ区の区長選挙で、現職の共産党区長に、野党RN党の候補が挑戦し、野党が勝ちました。今までの例で、その区長になったグループが次の大統領になるとか。それはボリッチの次は右翼が勝つと言う予想です。
州知事ならほとんどの候補者が知られていますが、区長(市長)やその補佐官などは投票者に知られていない候補者が多く、その人が所属する党に投票されているとか。そんな複雑困難な投票は嫌だと白紙投票が多いようです。投票が義務制ですから、投票所に行かなければ罰金を取られます。私の場合は投票所から何千キロも離れた場所にいましたから、現地の警察に行って、その場所にいた証明書をもらいました。
さてモンサルべ内務次官問題が起こってからボリッチの動向は止まったようでしたが、今週の大統領府の発表では、どこかの学校の図書館設立30周年記念の行事に教育大臣と一緒に出席したとか。モンサルべ事件後、内務省で4人ほど辞任したそうですが、事件に関係があったのか、通常に仕事が出来ないからでしょうか?
与党内で、新左翼からモンサルべ事件につき批判が出ていますが、政府内でどう対応するか検討中とか。
2)エルモシジャ問題
 裁判所、検察そして警察とチリ中に彼とコンタクトをした人間が問題になっていますが、それが収まらないで拡大しています。政界にももちろん
飛び火するでしょうね。年内にどれだけの人が裁判になるのでしょう。
(経済)
1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド4.26ドル、為替は1ドル945ペソと両方とも先週とほとんど同じでした。
2)GDP
IMFの発表ですが、今年のチリのGDPは1.9%が予想されていますが、それに達成する可能性は低いとか。来年は2.4%が見込まれていますが。どうでしょう。
それとは関係ありませんが、アルゼンチンのミレイ政権が上手く機能すれば経済でチリの上に戻ると言われます。それから同国内で
チリ人の犯罪グループが逮捕されました。チリの中でも外でも悪いことをしているのですね。
(一般)
1)性暴力
内務次官のモンサルべが問題になっていますが、火曜日はホルヘ・バルデスの件が全局で流れました。彼はコロコロとチリ代表で活躍した過去のある
有名なサッカー選手ですが、今回同じ問題で裁判になりました。アメリカの大統領候補のトランプも同じようなことをしたのでしょうが、彼はお金で解決したので
しょうね。世界中どこでも同じかな?
2)学生問題
 INBA高校でモロトフ爆弾が爆発し多数の負傷者が出ました。その学校はチリが民主化してからの初代大統領エイルウィンが卒業した所で、有名な学校ですが
極左のグループが多く、学校内外で暴力行為をしています。生徒だけでなく教職員にも負傷者が出ています。悲しい実表で、どうすればその事件が無くなるのか
はっきりしません。
3)山火事
サンティアゴはもう最高気温が35度まで上がっていますが、近隣州でも気温が上がり、山火事の危険性が急上昇とか。もう11月にも山火事発生のニュースが出そうです。
(スポーツ)
1)サッカー
選挙があったので国内リーグ戦はお休み。
FIFAの発表でチリは世界ランキングで53位になり、過去17年で最低に落ちました。まだまだ落ちそうですね。
以上